17番 高 橋 英 行
18番 松 下 行 吉
19番 川 本 健 太
20番 帽 子 大 輔
21番 大 石 豪
22番 宇 高 英 治
23番 欠 番
24番 欠 番
25番 菊 池 伸 英
26番 古 川 拓 哉
27番 兵 頭 竜
28番 大 西 誠
29番 松 尾 和 久
30番 福 羅 浩 一
31番 三 宅 浩 正
32番 西 田 洋 一
33番 欠 番
34番 欠 番
35番 木 村 誉
36番 笹 岡 博 之
37番 鈴 木 俊 広
38番 石 川 稔
39番 梶 谷 大 治
40番 徳 永 繁 樹
41番 高 山 康 人
42番 渡 部 浩
43番 戒 能 潤之介
44番 欠 番
45番 欠 番
46番 越 智 忍
47番 横 田 弘 之
48番 毛 利 修 三
49番 赤 松 泰 伸
50番 本 宮 勇
51番 西 原 進 平
52番 中 畑 保 一
53番 明 比 昭 治
54番 岡 田 志 朗
55番 森 高 康 行
――――――――――
〇欠席議員 なし
――――――――――
〇欠 員 なし
――――――――――
〇
出席理事者
知事 中 村 時 広
副知事 神 野 一 仁
公営企業管理者 兵 頭 昭 洋
政策推進統括部長 八 矢 拓
総務部長 高 橋 正 浩
企画振興部長 金 子 浩 一
スポーツ・文化部長 高 石 淳
防災安全統括部長 福 井 琴 樹
県民環境部長 岸 本 憲 彦
保健福祉部長 山 口 真 司
経済労働部長 田 中 英 樹
農林水産部長 田 所 竜 二
土木部長 杉 本 寧
会計管理者出納局長 菅 豊 正
教育長 三 好 伊佐夫
副教育長 武 智 俊 和
人事委員会委員長 安 藤 潔
公安委員会委員 曽我部 謙 一
警察本部長 篠 原 英 樹
監査委員 永 井 一 平
監査事務局長 山 本 亜紀子
――――――――――
〇
出席事務局職員
事務局長 東 野 政 隆
事務局次長 八 塚 洋
参事総務課長 松 本 賢 固
参事議事調査課長 西 田 洋 一
政務調査室長 入 舩 理
議事調査課主幹 二 神 裕 志
――――――――――
〇本日の会議に付した事件
定第87号議案ないし定第110号議案
午前10時 開議
○(
西田洋一議長) ただいまから、本日の会議を開きます。
本日の
会議録署名者に
松尾和久議員、
松下行吉議員を指名いたします。
―――――――――――――――――
○(
西田洋一議長) これから、定第87
号議案令和元年度愛媛県
一般会計補正予算ないし定第110号議案を一括議題とし、質疑を行います。
○(
石川稔議員) 議長
○(
西田洋一議長)
石川稔議員
〔
石川稔議員登壇〕
○(
石川稔議員) (拍手)おはようございます。
えひめリベラルの会、社会民主党の石川稔です。
早速、質問に入らせていただきます。
まず、学校における部活動についてお聞きいたします。
早いもので、夏の
全国高校野球も終わって一月が過ぎ、大阪の
履正社高校が頂点に立ち、2年連続で大阪代表のチームが優勝しました。最近の
高校野球と私どもが白球を追っていたいにしえの時代との大きな違いは、今では選手は努めて水分を補給し、特に、ピッチャーなどは、投球を終えると
アイシングをして肩や肘を冷やしています。また、
大会運営上でも休養日を設け、選手の負担を軽減させています。
半世紀前のことを話せば嘲笑されるかもわかりませんが、私たちのころは、水を飲めばばてるから水分補給は御法度、水泳なども肩を冷やすからこれまた御法度で、おまけに肩を冷やしてはならないということで、純毛のサポーターを肩につけていたことを思い起こします。したがって、真夏の発汗が著しいときには、いかに隠れて水分をとるかということに私たち部員は知恵を絞っていました。また、隠れて水泳に行っても、いつしか先輩の耳に届き、あとは言わずもがなであります。
スポーツ医学の発達と時代の流れを今さらながら痛感しますが、もし昔から適切に水分補給や
アイシングが行われていたなら、日本の
スポーツ史も少なからず変わっていたのではないかと考えるのは私一人ではないと思います。
さて、ことしの夏の
全国高校野球にまつわり、地方予選における選手の起用方法について、決勝戦でありながら監督が超高校級と評される投手の体調と将来を考慮して出場させず、結果として甲子園への出場がかなわなかっただけに、
選手ファーストと
チームファーストという立場からさまざまな声がありましたが、いずれにせよ、
高校野球を初め学校の部活動のあり方に大きな一石を投じたことは間違いないと考えます。
そもそも学校における部活動は、
学習指導要領の中で自主的な
課外活動と位置づけられているだけで、制度設計がなく、おのおのの学校、教員の裁量に委ねられることから、競争原理が働きやすいほか、保護者の要望も入りやすく、児童生徒の成長というやりがいから、過剰に取り組んでしまう教員、指導者もいらっしゃいます。
そのような中、2013年に
文部科学省は
運動部活動での指導の
ガイドラインを示し、また、昨年3月に
スポーツ庁は、体制整備や
活動推進に向けた取り組み、休養日の設定等について記した
運動部活動の在り方に関する総合的な
ガイドラインを策定したのであります。
その中で、都道府県は
運動部活動のあり方に関する方針を、
市区町村教育委員会や、また
学校法人等の学校の設置者は設置する学校に係る
運動部活動の方針を、校長は学校の
運動部活動に係る
活動方針を策定して、
運動部活動のあり方を検討し取り組んでいくこととなっています。
また、それより先の2017年には、
ブラック部活など現在の部活動にさまざまな問題が顕在化しているとの認識から、
日本部活動学会が設立されたりもしています。
一方、本県においては、昨年度から、学校の部活動にかかわる教員の負担軽減や生徒の
競技力向上の観点からも、県下の中学校、
中等教育学校、高等学校への
部活動指導員の配置や指導者の資質向上を図るための研修会の開催などにも取り組んでいるとお聞きしています。
私は、小さいころから
運動部活動の中で成長し、そこで培ったものが今もいろいろな場面で生かされていると実感しており、また、教育の観点、
スポーツ振興の観点からも、部活動の果たす役割は非常に重要だと認識しています。
社会経済情勢等の変化により部活動にも多くの課題が生まれ、そのあり方を考えねばならない時代になっていると思いますが、今後も、
運動部活動が健全に持続されていくよう強く願うものであります。
そこで、お尋ねをいたします。
スポーツ庁が示した
運動部活動の在り方に関する総合的な
ガイドラインに沿った県、市町、公立学校による方針の策定状況や方針に基づく取り組みの状況についてお聞かせください。
あわせて、本県で配置されている運動部の
部活動指導員の
活動実績や成果についてお聞かせください。
次に、
地方分権についてお聞きします。
2006年の
地方分権改革推進法の成立、2007年の
地方分権改革推進委員会の発足以降、義務づけ、枠づけの見直しや権限移譲を中心に2008年から2009年までの間、4次にわたる勧告が行われました。
そして、2011年には第1次
地方分権一括法が成立し、直近では、本年5月に第9次一括法が成立しました。
地方分権改革推進法が成立して、もう12年余りの歳月が流れたのであります。今日では、世界で一番企業が活躍する国を掲げる安倍政権によって、自治体が稼ぐ力を期待され、飲料水や種子なども含め、地域の
公共サービスが資本のもうけ先として開放されたことから、安倍政権の
地方分権改革は、住民のためというよりも企業のための規制緩和を進める側面が強くなっていると言っても過言ではありません。
これまで数次にわたり改正されてきた
地方分権一括法に関し、代表的な課題や懸念を思い返してみますと、2015年の第5次一括法では、農地転用に係る権限の規制が緩和され、自治体で
土地利用調整を総合的に行うことができるようになったと評価される一方、これは財界の要請に応えるものであり、開発志向の首長のもとでは、農地が守れなくなるとの懸念も出されていました。
また、2016年の第6次一括法では、
地方版ハローワークの創設や、自治体が国の
ハローワークを活用する枠組みの創設が盛り込まれましたが、もともと
全国知事会が求めていたのは
職業安定行政の地方への全面移管でした。しかし、憲法で定める労働者の
最低労働条件の保障と雇用の確保に支障を来しかねないということで妥協が図られたと言えます。
さらに、2018年の第8次一括法では、一部地域の
幼保連携型認定こども園に係る居室の床面積の基準について、保育園と同様に国が一律に定める従うべき基準から標準に緩和されてしまいました。子供の健全な成長、発達や安全を犠牲にし、保育園の質を無視して単に量的に受け入れをふやすことになるという懸念は払拭されていません。
直近の第9次一括法でいいますと、
放課後児童クラブ、いわゆる
学童保育に従事する者とその員数の基準について、従うべき基準から、地域の実情に応じ市町村が条例を定めることが可能な参酌すべき基準に緩和されました。つまり夜間を職員1人体制にしても違法ではないということになれば、子供の安全が守れないという不安が募りますし、
学童保育の質の低下、
学童保育指導員の処遇についても懸念されるところであります。
また、首長の提案に基づき、公民館、図書館、博物館といった
社会教育施設を観光や
まちづくりに活用することや施設を戦略的に整備することを可能にするため、
教育委員会から首長部局へ移管できるようになりました。
しかし、
教育委員会所管になっているのは、教育への
政治的統制という戦前の過ちへの真摯な反省からであります。
社会教育機関の自立性、中立性が損なわれ、憲法の精神と民主化の普及に重要な役割を担ってきた公民館や住民の
基本的人権としての知る自由を保障する図書館の意義も軽んじかねません。今でさえ憲法9条について詠んだ俳句の掲載拒否や憲法に関する集会での利用の拒否、護憲団体を登録させないといった事例、あるいは資料の排除要求やその受け入れの強要、閲覧制限などの事例も少なくなく、首長や議員による政治的な干渉にますます拍車がかかるのではないかと危惧されるのであります。
要は、
地方分権に際して、生存権や安全の確保、人間の尊厳や子供に深くかかわるものについては慎重であるべきですし、分権の対象についても、それに伴う
税財源配分や国との役割分担による直接執行事務の改善を図るとともに、地方の声を反映させることは当然であります。
一方で、分権によって強まる首長の権限に対しては、地方議会の機能を強化していく必要があることは言うまでもありません。分権はあくまで手段であって、目的は
地方自治であります。地域の自主性や独自性の反映、市民、県民意見の反映といった住民自治の視点や現場職員の視点を生かした真の
地方自治、
地方分権の推進が必要であることは言をまたず、かかる視点から
地方分権一括法などを改めて点検していく必要があると考えるのであります。
そこで、お尋ねをいたします。
2006年に
地方分権改革推進法が成立して12年余りの歳月が流れました。本年5月には第9次
地方分権一括法が成立し、これまで権限移譲、義務づけ、枠づけの見直しも行われてきましたが、県は、
地方分権改革の進捗状況と成果をどう捉えているのか。また、
地方分権一括法の課題をどのように認識しているのかお聞かせください。
次に、原発についてお聞きします。
2011年3月の
東京電力福島第一原発の
過酷事故発生から8年半が経過し、今でも約4万人がふるさとに帰ることもできず避難生活を余儀なくされています。また、2011年3月11日夜に発令された
原子力緊急事態宣言は今も解除されていないのであります。
そして、この間には新規制基準が定められ、往時には54基稼働していた原発も、福島第1、第2原発、伊方1号機、2号機を初めとして約4割に当たる24基が廃炉へと向かっています。
さて、昨年5月、
四国電力は、
伊方原発の敷地内に
使用済み燃料を保管する
乾式貯蔵施設の建設計画を発表し、同社の佐伯前社長が中村知事に概要を報告しました。
この計画によれば、幅40m、奥行き60mの建屋を建設して、
使用済み燃料1,200体、
キャスクで45基分を収納するとし、運用開始時期を2023年度としています。
四国電力の資料によると、1、その
キャスクは直径2.6m、高さ5.2m、重さは約120tで、水や電源を使用せず
空気自然対流で冷却できるために安全性にすぐれる。2、原子炉から取り出された直後の
使用済み燃料は、発熱量が多く放射線も高いため、そのまま
キャスクに収納できず、
伊方原発では
使用済み燃料プールで15年以上冷却した後に収納することとしている。3、
乾式貯蔵施設は、
使用済み燃料を再
処理工場に搬出するまでの間、一時的に貯蔵するための施設で、
使用済み燃料は再
処理工場に搬出するため、
伊方原発に貯蔵し続けることはないとしています。
知事への報告の際、佐伯前社長は
乾式貯蔵や
キャスクの安全性を強調しましたが、知事は冒頭、一時的な保管であることを明確にしてほしいと伝え、さらに温度、放射線量、耐震性など住民目線のわかりやすい説明を要望したのであります。私は、この
乾式貯蔵や
キャスクに対する
四国電力の認識が新たな
安全神話になることを懸念するのであります。
さて、
四国電力の言う六ヶ所再
処理工場について触れてみますと、工場は1993年から建設が始まり、当初の事業費は約7,600億円とされていました。それが96年には1兆8,800億円、99年には2兆1,400億円と2倍、3倍に高騰してきました。
そして、建設開始10年後の2003年、電気事業連合会は六ヶ所再
処理工場の総費用は約11兆円と公表しました。その内訳は、建設費約3兆3,700億円、
運転保守費が約6兆800億円、
解体廃棄物処理費が2兆2,000億円であります。建設費だけでも当初計画の4.5倍になり、それまで一切説明されなかった
運転保守費、
解体廃棄物処理にも膨大な費用を要することが明らかとなりました。その後もコストは年々上昇し、2018年には13兆9,300億円と見積もられていますが、これは工場が40年間100%フル稼働、無事故で動くというあり得ないような前提で試算されていますから、これ以上の額になることは確実であります。
さらに、着工以来、実に24回も竣工時期が延長され、直近では2021年度上期に竣工と発表されてはいますが、それをうのみにするような楽観的な人はいないと思います。
これに加え、さらに大きな問題は、伊方3号機の
使用済みMOX燃料についてであります。
去る8月7日の県議会の防災減災・
エネルギー対策特別委員会において、私は1、2号機の
使用済み燃料はプールで15年以上冷やさないと
キャスクに収納できないとしているが、MOXの
使用済み燃料はどうかと尋ねたところ、
四国電力のしかるべき立場の方が、もう少し長い旨の答弁をされました。
さて、このもう少し長いというのは具体的にどれくらいなのでしょうか。昨年、本県で講演された長沢啓行さんは、
使用済みMOX燃料が
乾式貯蔵に見合う自然空冷可能なところまで冷却されるには、50年以上90年ほども必要、3号機の
使用済み燃料プールの強化や、かなりの年数を見通した保持計画も避けられない問題、
使用済みMOX燃料を再処理するための第2再
処理工場ができるはずもないと話されました。
また、
核戦争防止国際医師会議の資料では、
使用済みウラン燃料を
乾式貯蔵所に移すためには、
燃料プールで15年以上冷却する必要があり、
使用済みMOX燃料がこれと同等の発熱量になるには、100年以上プールでの冷却が必要と読めるのであります。
さらに、本年6月に原発の
使用済み燃料問題について市民団体が行った政府交渉の内容によると、この席上で、
経済産業省資源エネルギー庁の担当者は、
使用済みウラン燃料に比べて
使用済みMOX燃料は発電量が高いので、ウランと同じくらいになるのには300年以上かかることは事実。何年かはいろいろな文献があるかもしれないが300年以上かかるんだということは事実なんだと思ってございますと述べたそうであります。これが先ほどの
四国電力の言う、もう少し長いの意味であります。
さらにいわく、
使用済みMOX燃料は
キャスクに収納する対象にはなっていない、いわく、現在建設中の六ヶ所再
処理工場では
使用済みMOX燃料を対象にしていないであります。つまり1、2号機の
使用済み燃料の搬出はおろか、特に
使用済みMOX燃料を運び出すための道程が全く明らかになっていないのであります。
そこで、お尋ねをいたします。
四国電力は、湿式貯蔵に比べ
乾式貯蔵の方がより安全として、
使用済み燃料の
乾式貯蔵を2023年度から開始したいとのことでありますが、私は新たな
安全神話が生まれることを大いに危惧するのであります。その点について、知事も幾つかの懸念を表明されていましたが、県が
四国電力と結んでいる
安全協定に基づき、
乾式貯蔵の安全性や一時貯蔵という観点から、今後、
四国電力に対してどのように向き合っていくのか、お聞かせください。
また、
安全協定では再
処理工場へ
使用済み燃料を搬出することが明記されてはいますが、現在、六ヶ所再
処理工場を含め、
使用済みMOX燃料を再処理する施設がなく、また、第2再
処理工場の建設なども全くめどが立たない中、一時貯蔵という明確な担保がない現状では明らかに
安全協定違反になると考えますが、県の御所見をお聞かせください。
次に、
交通安全対策についてお聞きします。
警察庁によると、2018年に全国で起きた
交通事故による死亡者は、前年比162人、4.4%減の3,532人で、
都道府県別では、愛知が16年連続のワーストとなる189人で、千葉186人、埼玉175人となります。人口10万人当たりで見ると、全年齢の死者数が2.79人、65歳以上は5.59人で、いずれも前年から減少しました。
死者数は、統計が残る1948年以降で最少だった2017年をさらに下回り、最も多かった1970年の1万6,765人の5分の1近くにまでなりました。私が
交通事故防止対策について本会議で質問した2016年から約600人も減少したのであります。
一方、本県では、これまでアンダー50という野心的な目標を掲げ、
交通死亡事故の減少に向けて取り組んだ結果、昨年は前年の2017年に比べ
交通事故の発生件数がマイナス610件、けが人数がマイナス703人、死者数ではマイナス19人となっています。
一時は
交通戦争などとやゆされた時代を思うと隔世の感が否めませんが、これは道路の形状や交差点の改良、信号機の設置とLED化、安全標識の設置などのハード面の対策、
自動車そのもののシートベルト、エアバッグ、最近に至っては
衝突回避機能など安全性の向上に加え、交通安全に係る意識の啓発、さらには、時代に即した法令、条例の改正などの効果もあると考えます。
しかし、
幾ら交通事故が減少したとはいえ、
交通事故によって全国で1日に約10人も亡くなっている現状を直視すれば不断の取り組みが必要であります。
一方で、過去には全く想定されていなかった事態も深刻化しています。例えば運転中に
スマートフォンや携帯電話を使ったり、カーナビやテレビを見たりしながら運転する、いわゆるながら運転による
交通事故件数が急増しているのであります。
昨年1年間に事故が2,790件発生し、
死亡事故が42件、
重傷事故が176件となり、この10年間で約2倍にふえているほか、昨年だけでも
携帯電話使用等違反の
取り締まりは84万件もあり、
交通違反取り締まり件数全体の14%を占めるに至っているのであります。
こうした状況を受け、ことし12月に
道路交通法が改正、施行され、ながら運転は罰金だけではなく懲役刑の対象にもなり、反則金及び違反点数も現行の3倍、事故を起こすなどした場合の罰則はさらに重くなるそうであります。
昨今、
高齢ドライバーによる
交通事故など重大な
交通事故に関するニュースを見ない日はないような気がしますが、
交通事故は被害者やその家族、関係者の人生はもとより、
加害者自身の人生も一瞬で台なしにしかねません。
そこで、お尋ねをいたします。
本県では、
年間交通事故死亡者数についてアンダー50という目標を掲げ、2012年には56人という実績もありますが、目標の達成に向け、今後、さらなる
交通死亡事故抑止対策にどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。
また、ながら運転の本県における現状はどうか。また、本年12月に施行される
改正道路交通法を踏まえた対策にどのように取り組んでいくのか、お聞かせください。
最後に、自転車の
安全利用対策についてお聞きします。
県では、
しまなみ海道を中心とした
サイクリング振興に積極的に取り組まれていますが、以前に比べますと、
しまなみ海道沿線のみならず、県全体で
サイクリング人口がふえていることを実感しますし、今後、ますます
サイクリングをツールとした地域振興が進んでいくことを期待するものであります。
さて、本県では、2013年に愛媛県自転車の安全な利用の促進に関する条例が施行されました。この条例には罰則の規定はないものの、
自転車損害賠償保険への加入やヘルメットの着用について
自転車利用者の責務として規定するとともに、シェア・ザ・ロードの精神を基本理念としながら、
自転車マナー先進県を目指すといったことが特徴とされています。
さらに、
本県ならではといった内容は、歩道における自転車の通行方法についてであります。
道路交通法では、自転車は車道の左側通行が義務づけられていますが、歩道においてはその規定はありません。しかし、この条例では、歩道を自転車で通行するときは、車道左側に設置されている歩道の通行を推進すると規定されています。つまり自転車が通行することが可能な歩道では、
自転車同士が相互に通行することは、法律上は可能でありますが、本条例では自転車が自動車と同一の方向に通行することによって事故を防止するということを目的としているのであります。
この点について、
自転車事故で来院する患者さんの治療に当たっておられる私の知人の
整形外科医も、このことが徹底されることにより
自転車事故の件数は減少すると、その徹底を強く望まれているのであります。
知事みずからも率先して進めてこられた
サイクリングを切り口にした地域振興は、
しまなみ海道がサイクリストの聖地として国内外で認知度が高まり、世界的にも高く評価されるなど、全国的にも類いまれな取り組みとして成果が上がっていると私は評価していますが、このことは自転車を安全かつ快適に利用できる環境があってこそであり、自転車が関係する事故を防止し、自転車の安全利用が進んでいくこととのまさに両輪でなければならないと考えるのであります。県下全域が真の
サイクリングパラダイスとなるよう、地域振興、安全対策の両輪での取り組みを今後も進めていただきたいと期待するものであります。
そこで、お尋ねをいたします。
愛媛県自転車の安全な利用の促進に関する条例が施行され6年余が経過しましたが、県民への浸透状況はどうか。また、本条例制定の効果や課題をどう認識し、今後、どのように取り組んでいくのかお聞かせください。
以上で私の質問を終えます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○(
西田洋一議長) 理事者の答弁を求めます。
○(中村時広知事) 議長
○(
西田洋一議長) 中村知事
〔中村時広知事登壇〕
○(中村時広知事) 石川議員に、まず、
四国電力に対する向き合い方についての御質問にお答えをさせていただきます。
乾式貯蔵施設の設置につきましては、安全性の確保に加え、
使用済み燃料を再
処理工場へ搬出するまでの一時的な保管であるということが重要であるため、県
伊方原発環境安全管理委員会原子力専門部会で、施設の安全性等を審議するとともに、昨年5月の事前協議申し入れ時を初め、機会あるごとに
四国電力社長に対し一時的な保管であることを明確にするよう直接要請し、都度確認をしているところであります。
また、県民の理解促進を図るため、安全性等についてはわかりやすく丁寧に説明するよう要請をしており、同社では、新たにリーフレットを作成し、地元住民への訪問対話活動に加えまして、県内自治体や関係団体等への説明を積み重ねるなど、県の要請に対しては真摯に対応していると理解しています。
県としては、国の審査と並行して、県独自に
乾式貯蔵施設の安全性等をしっかり確認するとともに、今後とも
四国電力に対しては一時的な保管であることを明確にした上で、県民に対する丁寧な説明を徹底するよう重ねて要請していく所存であります。
加えて、エネルギー政策をつかさどる国に対しても、
乾式貯蔵施設での保管はあくまで一時的なものであることを明らかにするとともに、
使用済み燃料対策を着実に推進するよう、引き続きしっかりと要請してまいりたいと思います。
次に、自転車の安全利用を促進することに関する条例についての御質問にお答えをさせていただきます。
県では、条例施行5年目となる昨年度、自転車安全利用に関する県民意識調査を行った結果、自転車に関する交通ルール遵守については90%の方が、自転車での歩道左側通行は77%の方が実践しているとの回答がありましたが、条例の基本理念であるシェア・ザ・ロードや思いやり1.5m運動、走ろう!車道運動の認知度は35%前後にとどまっており、一層の浸透を図っていく必要があるものと考えます。
また、ヘルメットの着用については、県職員の率先着用や高校生の着用義務化等に積極的に取り組んだ結果、通勤通学時間帯の着用率は7割を超えるまでに向上し、その間、車との衝突事故で意識不明の重体であった中高生が、ヘルメットを着用していたがゆえに一命を取りとめるなど効果が上がっており、今後は着用率の低い高齢者など幅広い年齢層に着用を広げていくことが課題と認識しています。
このため、今年度、新たに大学生を対象とした自転車安全教育のほか、成人や高齢の女性をターゲットとしたヘルメット用の着せかえ帽子コンテストを実施するなど、ライフステージに応じた安全利用の取り組みを推進するとともに、条例の一層の普及に努めながら、誰もが安全、快適に自転車を利用できる
サイクリングパラダイス愛媛の実現に向けて、今後とも全力で取り組んでまいりたいと思います。
その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。
○(高橋正浩総務部長) 議長
○(
西田洋一議長) 高橋総務部長
〔高橋正浩総務部長登壇〕
○(高橋正浩総務部長)
地方分権改革についての御質問にお答えをいたします。
地方分権改革は、平成19年度に第2次分権改革がスタートし、新たなステージに入り、権限移譲や義務づけ、枠づけの見直し等が進められ、とりわけ平成26年度からは地方から提案を募る提案募集方式が導入され、農地の転用許可権限や、本県が長年問題提起してきた建築基準法上の階段基準が見直されるなど一定の成果を上げてきたところであります。
しかしながら、提案募集方式は対象が地方公共団体の事務に限定され、国と地方の税財源のあり方や国の事務は対象外とされるなど改善すべき点が多いことに加えて、国はこれまで提案の約7割が実現、対応に至ったと公表しておりますが、そのほとんどは結論が先送りされ、地方が求める権限、財源の移譲には十分に対応されておらず、
地方分権改革はいまだ道半ばの状況と認識をしております。
一方、御指摘の
地方分権の対象事務等につきましては、
地方分権改革の基本理念が、地方の自主性及び自立性を高め、地方がみずからの判断と責任において行政を運営することであることからも、住民に身近な行政はできる限り地方が担い、地域の実情や特性に応じて、自治体がみずからの責任と覚悟を持って行政運営に当たるべきものと考えておりまして、今後とも、真の分権型社会の実現に向け、国に対し大幅な権限・財源の移譲など改革の実行を強く求め続けてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(福井琴樹
防災安全統括部長) 議長
○(
西田洋一議長) 福井
防災安全統括部長
〔福井琴樹
防災安全統括部長登壇〕
○(福井琴樹
防災安全統括部長) 原発問題のうち、
安全協定に関する御質問にお答えいたします。
使用済みMOX燃料については、昨年7月に策定された国のエネルギー基本計画において、
使用済みMOX燃料の処理・処分の方策について、発生状況と保管状況、再処理技術の動向、関係自治体の意向などを踏まえながら、引き続き研究開発に取り組み検討を進めるとされております。
伊方発電所3号機では、本年12月に開始予定の定期検査において、初めて
使用済みMOX燃料が発生する見込みであり、当面の間、
使用済み燃料ピットで適切に保管するとのことでございます。
県といたしましては、
安全協定に基づき、
四国電力に対し、伊方発電所内で発生する
使用済みMOX燃料も含めた全ての
使用済み燃料の搬出を求める方針に変わりはなく、また、
四国電力では国の検討結果に沿って対応し搬出する方針でありますことから、搬出が可能になるまでの間、一時的に保管することが
安全協定に違反するとは考えておりません。
今後とも、
使用済みMOX燃料を含めた
使用済み燃料について、
四国電力に対し一時的な保管であることを明確にし、計画的に搬出するよう強く求めていきますとともに、国に対しても、
使用済み燃料対策を着実に進めるよう要請してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(三好伊佐夫教育長) 議長
○(
西田洋一議長) 三好教育長
〔三好伊佐夫教育長登壇〕
○(三好伊佐夫教育長)
運動部活動の方針策定状況や取り組みに関する御質問にお答えいたします。
県では、国の
ガイドラインを踏まえ、生徒にとって望ましいスポーツ環境を構築するという観点に立って、昨年6月に
運動部活動の在り方に関する方針を策定したところでありまして、これまでにこの方針を参考に県内の全市町及び全ての公立中学校、県立高校において
運動部活動の方針が策定されているところであります。
県の方針では、スポーツ医・科学の見地から活動時間を平日2時間程度、休日3時間程度、休養日数を週当たり2日以上と定めておりますが、ことし4月から8月を対象とした調査では、中学校では活動時間が平日1時間55分、休日3時間5分、休養日数が2.4日、高校では活動時間が平日2時間6分、休日3時間21分、休養日数が1.9日となっており、方針に沿った取り組みがおおむね定着しております。
また、運動部の
部活動指導員は、今年度、中学校に34名、高校に4名を配置し、中学校で週当たり7時間程度、高校で5時間程度指導に当たっております。
顧問教員からは、授業準備や校務の時間が確保でき時間外労働が減少した、専門的な指導によりチームの成績が向上したなどの声が寄せられ、教員の心身両面からの負担軽減と専門的指導による競技力の向上が図られていると認識しておりまして、今後とも、方針が適切に運用されるよう、指導、助言を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(篠原英樹
警察本部長) 議長
○(
西田洋一議長) 篠原
警察本部長
〔篠原英樹
警察本部長登壇〕
○(篠原英樹
警察本部長) アンダー50の目標達成に向けた
交通死亡事故抑止対策についての御質問にお答えいたします。
本県では、交通安全県民総ぐるみ運動の目標として
交通死亡事故抑止アンダー50を定め、関係機関、団体と連携して交通安全活動を推進しているところでございます。
本年9月23日現在、県内の事故死者数は29人と昨年同期に比べ4人減少しており、これまで取り組んできた諸対策による一定の効果があらわれてきているものと認識しております。
県警では、
死亡事故を初めとする重大な
交通事故抑止のため、幹線道路における速度抑制や歩行者保護、
交通事故時に被害軽減効果のあるシートベルト、チャイルドシートの着用に向けた指導、
取り締まり等に取り組んでいるところであります。
アンダー50の達成に向け、現在実施中の秋の全国交通安全運動において、県民一人一人に対して交通安全意識を高める取り組みを強化しているほか、年末にかけて、夕暮れ時の歩行者と車の事故が増加傾向にあることから、関係機関・団体と連携し、反射材の着用指導や早目のライト点灯等の広報活動を推進してまいりたいと考えております。
次に、本県のながら運転の現状と
改正道路交通法を踏まえた対策についての御質問にお答えいたします。
本県において、ながら運転が関係する
交通事故は、昨年中は27件発生しており、全国同様、10年前と比べ約2倍に増加しております。
県警では、重大な事故につながる極めて危険な行為である、ながら運転を防止するため、指導・
取り締まりを強化しているところであり、その結果、本年は8月末現在で12件と、昨年同期に比べ6件減少しているところであります。
また、本年6月にながら運転の罰則を強化する
改正道路交通法が公布されたことから、改正内容を県警ホームページへ掲載するとともに、免許更新時の講習や各種安全講習会において広報・啓発活動を行っているところであります。
引き続き、ながら運転防止に向けて、幹線道路等における機動力を発揮した指導・
取り締まりを強化するとともに、県民に対しては、
改正道路交通法の周知とながら運転は危険で許されない行為という意識を高める広報・啓発活動に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。
○(
西田洋一議長) 暫時休憩いたします。
午前10時46分 休憩
―――――――――――――――――
午前11時5分 再開
○(
西田洋一議長) 再開いたします。
質疑を続けます。
○(笹岡博之議員) 議長
○(
西田洋一議長) 笹岡博之議員
〔笹岡博之議員登壇〕
○(笹岡博之議員) (拍手)
公明党の笹岡博之でございます。
冒頭、一連の台風、豪雨災害で犠牲になられた方と被害に遭われた皆様にお悔やみとお見舞いを申し上げます。同じ豪雨災害を受けた本県在住の者として、一刻も早い復旧・復興を願わずにはいられません。
さて、スーパーに行きますと、消費税が上がる前に購入をと銘打ってまとめ買いを勧めるポップが目につきます。しかし、お客さんの購買行動に変化があるようには余り感じません。多分生活必需品には現行税率が適用されるとの軽減税率のことが頭にあるのだと思います。
政府・与党が掲げる全世代型の社会保障、消費税率引き上げ分を財源に来月より、いよいよ幼児教育の無償化が始まります。来年の4月よりは私立高校の授業料の無償化、そして、所得制限があるものの、大学等の高等教育の無償化も検討されております。現在、導入が始まっている返さなくてもよい奨学金、いわゆる給付金つきの奨学金の充実とあわせまして、経済的事情を理由に教育を受ける機会が奪われない社会に向けて大きく前進をしております。教育は国の基礎、人こそ資源であります。未来に向けて、教育負担の軽減に向けて、大きな一歩が踏み出されたことをお互いに喜び合いたいというふうに思います。
また、65歳以上の年金受給者で住民税非課税の方を対象としまして、年金生活者支援給付金の制度が同じく来月より始まります。既に対象の皆様には、請求手続の御案内が封書で送付されているようであります。同封されている年金生活者支援給付金請求書のはがきを返送すれば、最高額で毎月5,000円が期限なく支給をされるという仕組みとなっております。お聞きをしますと、多くの対象の皆様が既に返送されておるということでございましたが、日本年金機構からの封書となっておりますので、お一人も漏れなく請求していただきたいというふうに思います。年内に返送しないと来年からの給付となり、ことし支払われる給付金がもらえないと聞いておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
そして、2万円で2万5,000円分の商品券が購入できるプレミアムつき商品券も、住民税非課税世帯と小さいお子さんのいる世帯を対象に発行をしております。今回は1セット500円券種が50枚で、来年3月末まで使用できると聞いておりますので、有効に活用されたらよろしいかと思うところであります。
また、キャッシュレス時代を見据えて、ポイントでの還元制度も話題となっております。私もコンビニで使えるスマホ決済のアプリを入れてみました。各社ともアプリ独自のサービスとして、割引とか半額、はたまた無料でもらえるという大好きな言葉が躍っております。私にはとても魅力的な世界ですが、ついつい余計なものを買ってしまい、家族のいら立ちと食生活の乱れを誘うという貴重な体験もさせていただきました。自制心を持って臨めば有効な生活防衛の手段になると思います。
前回の消費税引き上げ時よりも消費が落ち込まないようにさまざまな施策が盛り込まれるとともに、全世代型の社会保障に向けて明確なメッセージを打ち出したことを大いに評価するところであります。政府・与党におかれましては、景気動向をしっかり注視しながら、必要な場合には、補正予算等の迅速な対応で国民生活、県民生活をしっかり守っていただくことを要望しつつ、質問に入ります。
最初に、情報・コミュニケーション条例について質問をいたします。
2013年10月に鳥取県が日本で初めて手話言語条例を制定してから6年がたとうとしております。その年の12月議会一般質問で、私は、聴覚障害者協会の皆様や手話通訳者の皆様とともに、本県にも手話言語条例の制定をと質問し、訴えさせていただきました。残念ながら、いまだ愛媛県も県内市町にも手話や障がいを持つ人のコミュニケーションに関する条例は制定をされておりません。最近では、手話を含め障がいを持つ人のコミュニケーション手段の理解を推進し、社会全体で支えていこうとの趣旨から、一般名称として情報・コミュニケーション条例とも称されております。この6年の間に、手話を含む情報・コミュニケーション条例は、実に280自治体で成立、施行されております。都道府県では26道府県と半数を超えました。
2年前に本県で開催された全国障害者スポーツ大会、選手の皆さんの躍動する姿に多くの県民が感動いたしました。そして、手話通訳を初め多くのボランティアの皆様に支えられ大成功の大会となりました。この大会で多くの貴重な体験をいたしました。また、女子高校生と思われる方が巧みに手話通訳をされている姿にも感動いたしました。
ふだん私たちは手話に接する機会は余りありません。また、視覚障がい関係のスポーツを観戦するときには、ボールなどに入っている鈴の音などを頼りに競技が行われるので、歓声や拍手は避けるなどの観戦マナーがあったりもします。特に観戦した子供たちは、私たち以上に貴重な体験となったと思います。
来年は、パラリンピックが東京を中心に行われます。アスリートの皆さんの卓越したパフォーマンスやサポートスタッフのありようを含め、観戦をしたいものであります。
また、年齢、性別、障がい、文化などの違いにかかわりなく、誰もが社会の一員として支え合うユニバーサル社会の実現に向けての大きなきっかけになればよいとも思うところであります。ユニバーサル社会の実現に大きく寄与するのが情報・コミュニケーション条例だと、私たちは確信をしております。ふだんから手話を初め障がいのある方のコミュニケーションに関心を持ち、相手への理解と配慮をしようと意識するだけで、健全な社会が構築されると思います。
鳥取県で開催されます全国高校生手話パフォーマンス甲子園、ことしで第6回となりますが、予選を勝ち抜いた15チームが9月29日に熱演を披露いたします。その15チームの中に四国で唯一のチームが勝ち残っております。済美高校と松山聾学校の混成チームであります。ふだんの練習の成果を大いに発揮されんことを期待しております。
私たちは、母国語であります日本語に誇りを持っております。また、俳句や和歌といった短詩型文学に代表されるように、奥深い世界観には宇宙を感じることもあります。同じく手話に代表されるように、それぞれのコミュニケーション手段には、歴史があり思いがあり、そこに現代のテクノロジーも加わりながら、独自の文化となっているのであります。同じ社会を構成する者として、互いのリスペクトなくしてユニバーサル社会の実現はできないと思います。
お伺いをいたします。
手話言語を含む情報・コミュニケーション条例の制定を切に望みます。見解をお聞かせ願います。
共助・共生の社会づくりについて質問をいたします。
6月議会におきまして、8050問題、7040問題について、就労サポートという観点から質問をさせていただきました。その後の国の動向では、市町における各種支援事業に加えまして、
ハローワークを中心にサポート体制が動き出しているようです。ぜひ本気の取り組みを望むところであります。
また、6月21日には、経済財政運営と改革の基本方針2019、いわゆる骨太の方針におきまして、共助・共生の社会づくりについての閣議決定がなされました。
この方針の目指すところは、全ての人々が地域、暮らし、生きがいをともにつくり高め合う地域共生社会を実現するということであります。国は、この方針に基づき、地縁、血縁による助け合いの機能が低下する中、複雑化した生活課題への対応のため、断らない相談支援などの包括支援や多様な地域活動の普及促進について、新たな制度の創設の検討や取り組みの強化を進めているところであります。
この方針をもとに設置されました地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会で新たな制度が検討されております。そして、地域力強化推進事業、多機関の協働による包括的支援体制構築事業がモデル事業として提起され、本年度は28億円の予算で200の自治体で実施をされておるのであります。
この事業では、地域や社会とのつながりが希薄になった人たちに対し、これまでの支援体制、支援方法とは違う枠組みで社会につなぎ戻すための対応を推進するようになります。
一つが、支援が必要な個人に対し、属性にかかわらずに相談を受けとめ、みずから対応し、社会につなぐことができるようサポートする機能やそれを持続するための機能であります。例えば介護必要者に対し、地域包括支援センターの職員が支援を行っている際、その当事者のひきこもりの状態にある息子さん、40歳代、50歳代に関する相談を受けた場合、これまでの地域包括支援センターでは対応することはできず、ほかの民間機関や生活困窮者自立相談支援事業者につなぐか、一旦相談を断っていたところを断らずに世帯ごと支援対象にすることができるようになります。
この事業では、市町レベルにおいて、地域共生社会の実現に向けた地域づくりに係る普及啓発の取り組みや、都道府県による市町における地域づくりへの支援を進める際には、国が財政支援を行うというものであります。
共助・共生の社会づくりの根底には、ひきこもり・ニート対策、生活困窮者対策、子供の貧困対策などの地域課題解決の考え方があります。これまでの経緯として、生活困窮者自立支援法が施行され、福祉事務所がある全自治体で開始されたのが2015年であり、それ以降、これまで全国で生活保護に至る前の段階の生活困窮者に対し、自立相談支援事業の実施、住居確保給付金の支給、就職活動が困難な方への就労準備支援事業などの事業が行われてまいりました。この生活困窮者自立支援事業の県内実施状況について、任意事業の実施率は全国都道府県の中でも下位にあり、その問題提起は、前回6月定例会でもさせていただいたところであります。
そこで、お尋ねをいたします。
本制度は、手を挙げる自治体には国として財政支援を行いますが、そうでない自治体には、当然ですが財政支援を行いません。つまり手を挙げない自治体は、これからの地域共生社会の実現に向けての取り組みがどんどん遅延することになると考えられます。
来年度の法制化に向けて、政府は現在法案検討中でありますが、県としては地域共生社会実現に向け、どのような決意で臨まれるのか。また、県内市町の取り組みに対する支援をどのように進めていくのかお聞かせを願いたいのであります。
アコヤガイ稚貝の大量へい死について質問をいたします。
今月に入り、宇和海沿岸で養殖中のアコヤガイが稚貝を中心に大量へい死しているとの報道がなされました。被害は、8月中旬から鮮明になっていたとのことであります。その後、真珠生産日本一の本県だけではなく、2位の長崎県、3位の三重県でも同様の被害が出ているとの事実に衝撃が走りました。原因がわからないことに不安が募るわけであります。県漁連などの関係団体からは、早速、知事に対して原因究明や稚貝の提供、運転資金の支援などの要望がなされております。
県では、国とも連携しながら、大量へい死の原因究明がなされていると承知していますが、原因がわからない状況では関係者の不安は払拭をされません。また、稚貝の前倒し供給や餌となるプランクトンの供給など、県水産研究センター等が鍵を握る対策も多いと聞いております。本県の真珠産業を衰退させないよう、多くの皆様が願っているわけであります。
お伺いをします。
原因究明の進捗状況はどうか。また、今後の県の対策について、具体的にお示しください。
豚コレラや高病原性鳥インフルエンザなどの家畜の伝染病対策について質問をいたします。
昨年9月、国内で豚コレラが26年ぶりに発生してからことしで1年となります。9月17日時点での発生は、岐阜、愛知、三重、大阪など1府7県43例、殺処分された豚は13万頭超にも上っております。現在も毎週のように発生が相次ぎ、終息の兆しは一向に見えず、養豚農家を初め関係者の皆さんは不安な日々を過ごしております。
そして、豚コレラのウイルスを拡散しているとされる陽性の野生イノシシは、岐阜、愛知など発生のあった5県に加えて、富山県、石川県でも確認が相次いでいる状況であります。昨年の6月には岐阜市で、野生のイノシシが例年より多く死亡していたとの報告もあり、このころにはウイルスに感染していたとされているようであります。農水省によりますと、ウイルスのDNA解析から、中国から持ち込まれたと考えられております。
発生の現場では、発生農場の殺処分と消毒による早期封じ込め、農場への野生動物等の侵入防止を徹底するなど、発生を食いとめようとする現場の必死の努力が続いております。本年3月には、国内で初めて餌として食べさせる経口ワクチンも投入をいたしました。国では、豚へのワクチン接種も含めて、あらゆる方策を視野に検討を進めていると聞いております。今回、豚コレラを発症し、殺処分をした養豚農家の2割が廃業を余儀なくされるとのデータもあり、対策が急がれるところであります。
本県においても、今後の発生状況や海外からの侵入リスクを見きわめながら、養豚農家の設備の増強や更新などの支援も含め、さらなる防疫体制の強化が必要であると考えられます。
また、これから冬にかけて渡り鳥のシーズンを迎えると、高病原性鳥インフルエンザのことも気にかかります。いずれにしても、本県においては家畜の伝染病を持ち込ませないとの強い決意で臨んでいただきたいと思います。
お伺いします。
一つは、豚コレラや鳥インフルエンザなどの家畜伝染病の農場への侵入を防ぐことが最も重要と考えますが、本県においては、防疫対策にどのように取り組んでいるのかお聞かせを願いたいのであります。
県では、家畜伝染病の侵入防止のための水際対策や発生時に備えて、国や近県との連携体制をどのように講じておられるのかお聞かせをください。
不妊治療について質問をいたします。
子供は天からの授かりものという言葉があります。子宝という言葉も、子供のことで苦労することがあっても、そのこと自体が振り返ってみれば、子育てという光り輝く時間を共有した宝のような時間を指しているようにも感じます。いずれ親の手を離れ、徐々に子供は自立し、みずからの人生に歩みを進めていきます。子供の成長を願い、健康に過ごしてもらいたい、ほとんどの親はそう願っております。また、親と子とは離れていても不思議なきずなで結ばれていると感じることも多いものであります。
子供がいないカップルから子供を望んでいるという話を人を介してよくお聞きをします。デリケートな問題でもあり、プライベートな問題でもあるので、ごく親しい人との間で話題になるようであります。私が直接話を伺うこともありますが、人を介して不妊治療についての要望を聞くことが多いというのが実情であります。子供ができないで悩んでいる夫婦は、私たちの想像以上に多い気がしてなりません。実際、国立社会保障・人口問題研究所の2015年調査によりますと、不妊の検査や治療を受けたことのある夫婦は5.5組に1組の割合となっており、年々増加傾向にあるということであります。
不妊の原因は、男女1対1の割合と言われます。最初、女性の方が専門医等に相談するケースが多いと思いますが、女性に問題がなかった場合も含めて、男性も受診をしなければ治療の進展は図れません。男女ともに問題がなければ、タイミング法などのアドバイスを受けながら妊娠を目指すことになります。ここまでは保険適用で多額の費用がかかることはないと承知をしております。
子宮に精子を人工的に注入する人工授精になると保険適用外で、1回当たりの費用が1万から2万くらいだそうです。そして、体外に卵子を取り出し、シャーレの中で精子と受精させる体外受精や顕微受精となると、やはり保険適用外で、1回の費用が20万から60万と大きな負担となります。体外受精や顕微受精は、特定不妊治療費助成事業の対象となり、一定の条件を満たせば助成の対象となります。それでも、金銭的にも肉体的にも負担が大きいとの意見をよく耳にします。体外受精をして妊娠できる確率は1回平均20%から30%程度と低く、年齢が高くなるにつれ、確率はより低下をいたします。
お伺いします。
県では、心と体の健康センターにて不妊専門相談を実施していると聞いております。相談の実績と相談者が抱える主な悩みとしてどのようなものがあるか、お聞かせ願いたいのであります。
また、本県の特定不妊治療について、ここ数年の助成実績と、特定不妊治療により妊娠・出産に至った件数もあわせてお聞かせください。
特定不妊治療による妊娠の確率が低いこともあって、助成の限度回数を超えて治療を試みる夫婦も多く、助成を受けてもなお、費用負担が重いとの声も聞きます。本県における不妊に悩む方に対する支援の状況はどうか。また、少子化対策の一環として、今後の支援の充実について御見解をお聞かせ願いたいのであります。
性感染症について質問をいたします。
WHOのことし6月の発表によりますと、世界で毎日新たに100万人以上が性感染症に感染しているとのことであります。代表的な性感染症である性器クラミジア感染症や淋病では、骨盤内炎症性疾患や不妊症など、特に女性に深刻な合併症を引き起こす場合があります。一方、梅毒は心疾患や神経障害につながる可能性があり、早期の対処が必要であります。また、妊娠中の女性が感染した場合、死産や早産、低体重児出産のほか、肺炎や失明、先天性奇形などの乳児の健康障害につながりかねないのであります。
そして、全国的にも梅毒の報告数が急増しており、本県でも同様の傾向が見られると聞いております。WHOが警告しているとおり、爆発的感染の前段階の状況とも捉えられます。梅毒は性的な接触により感染し、初期には感染箇所に小さなしこりやリンパ節の腫れなどが見られますが、その後、何事もないような時期があるので、重篤な症状があらわれてから検査を受けるということをよく聞きます。
昨年、イギリスのロックバンド、クイーンを取り上げた映画ボヘミアン・ラプソディが大ヒットしました。私はそんなに詳しいわけではありませんが、しかし、最後の20分のコンサートシーンは、DVDを何回も見直すほどすばらしいものでありました。ボーカルのフレディ・マーキュリーは、その後、HIVに感染し、エイズで亡くなりました。当時は、発症すると不治の病とされ、私たちが30代のころにはエイズ関係のニュースが事あるごとに取り上げられておりました。今は治療薬も開発されて、初期に処置すればエイズの発症を抑えられるようになっていると聞いております。それでも、処置が遅かった等の理由により、発症している人もいるとのことであります。
お伺いをします。
特に重篤な症状になる可能性がある梅毒やHIV感染症など、本県における性感染症の発生状況はどうか。また、性感染症予防のため、県としてどのような対策をとっているのか、万一感染が疑われる場合の検査、診療体制はどのようになっているのかお聞かせを願いたいのであります。
関連して、HIVなどに感染、発症した人が、介護を受ける必要がある場合の受け入れ体制について質問をいたします。
先日、勝手に過去のカルテを調べられ、HIV感染を告げなかったことを理由に就職の内定を不当に取り消されたとして、北海道の男性が内定先の社会福祉法人を訴えていた裁判のことが話題となりました。札幌地裁は男性の訴えを認め、社会福祉法人に賠償金の支払いを命じました。判決では、HIVは極めて例外的な状況でのみ感染が想定されるもので、原告の男性についても周囲に感染を及ぼすリスクは無視できるほど小さく、採用面接で感染の事実を申告する必要もなく、内定取り消しは違法であると認めております。さらに、過去のカルテを勝手に見てHIV感染の事実を把握した点でも、医療情報の目的外使用でプライバシーの侵害に当たると断じました。
さきに述べましたとおり、HIVに感染しても早い段階で薬を投与すればエイズの発症を抑え、普通の生活を送ることができます。厚労省によりますと、一昨年の段階でHIV感染者は、全国で1万9,000人を超えているそうです。同省では、採用の際にHIV検査を行うべきではない、そして、HIV感染を理由に不利益に扱ってはならないとの
ガイドラインを定めております。改めて、HIV感染を理由に不当な差別をしてはならないとの判断を司法が下したことについて大きな意義があったと感じております。
かつて、エイズが不治の病として恐れられていたとき、さまざまなQアンドAが話題となりました。例えば、蚊を媒体として感染するかなどですが、日常生活における接触では感染をいたしませんし、もちろん蚊でも感染しません。正しい知識があれば感染を予防できるのは、今や常識となっています。しかし、介護する側の人にとっては、不安を感じることも理解ができます。そこで、HIV感染症を含む感染症に対しての知識や対処を研修する事業もあるとは聞いております。しかし、現実は介護保険施設に入所するのに相当苦労し、介護が受けられないという話もあります。
お伺いをします。
HIVに感染、発症し、介護を受ける必要がある人に対する介護保険施設の受け入れ体制について、現状をお聞かせ願いたいのであります。また、受け入れ体制を強化するため、どのような対策をとられるのかお聞かせを願いたいのであります。
以上で質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
○(
西田洋一議長) 理事者の答弁を求めます。
○(中村時広知事) 議長
○(
西田洋一議長) 中村知事
〔中村時広知事登壇〕
○(中村時広知事) 笹岡議員に、まず、アコヤガイに関連する御質問にお答えをさせていただきます。
今回の大量へい死に対しましては、現在、県組織を挙げて原因の究明に取り組んでいるところであり、県の水産研究センターでは、感染症はもとより、赤潮や水温、餌等の環境変化、養殖の管理、近親交配による貝の弱体化など多方面での可能性を想定し、国や関係県とも連携しながら、病理学検査や過年度の環境データとの比較による関連性調査などを行っているところでございます。
これまでに、平成8年の大量へい死の原因となった赤変病ではないことは確認できていますが、現時点では、残念ながら原因を特定するには至っておらず、県としても、今月末にも発足する対策協議会に参画いただく愛媛大学南予水産研究センターなど専門家の方々の協力を得ながら、一日も早い原因究明を目指し、調査活動をさらに強化していく所存でございます。
また、原因究明と並行して、不足する稚貝の補填対策にも早急に対応するため、既に県水産研究センターでは、稚貝の緊急生産や漁協が実施する稚貝生産に必要な餌用のプランクトンの供給に着手をしておりまして、稚貝の生育が順調に進めば、10月の下旬ごろには提供できる見込みであります。
原因の完全究明には相当の時間が必要になることも想定される中で、県としては、南予地域の水産業の大きな柱の一つである真珠及び真珠母貝養殖業への影響や関係者の不安をできる限り最小化できるよう、国や関係団体と緊密に連携を図りながら、全力で支えてまいりたいと思います。
次に、家畜伝染病対策についての御質問にお答えをさせていただきます。
豚コレラや高病原性鳥インフルエンザ等の家畜伝染病は、強い伝播力や高い致死率により、一たび発生すれば本県の畜産業や地域経済に深刻なダメージを与えかねないことから、まずは何よりも病原体を侵入させない予防対策が重要であると認識します。
このため、県では、平常時から畜産農家に対しまして、病原体を媒介する野生動物の侵入防止や畜舎、車両等の消毒励行など、衛生管理基準の遵守指導や立入検査による監視を行うほか、万一の発生を想定し毎年実施しています防疫演習への参加を通じまして、生産者の意識啓発を図ってきたところであります。